脊椎とは一般には背骨(せぼね)と言われているものです。
脊椎(せぼね)とは、頚椎(くび)から胸椎(せなか)、腰椎・仙椎(こし)まで幅広い範囲を指します。
脊椎(せぼね)に病気があると、腰痛(ぎっくり腰)や上下肢(手足)の痺れ(しびれ)や痛みの原因となります。
当院の脊椎外科では、外来通院治療から(急性期・回復期)入院治療まで幅広い範囲の保存治療を提供致します。
手術治療を必要とする患者さんに対しては、脊椎・脊髄疾患の専門的な低侵襲手術(脊椎内視鏡下手術)を行っています。
浅草病院にて脊椎外科を担当させて頂くこととなりました。山田 実と申します。主に低侵襲脊椎外科に取り組んできました。2003年から、脊椎内視鏡手術に取り組み18年間で脊椎内視鏡手術においては2000例の症例を執刀してきました。
脊椎内視鏡手術は全国でもごく限られた施設でしか行われず、脊椎内視鏡下手術・技術認定医がいる施設での手術がお勧めです。的確な診断と、一番体に優しい治療、手術を心がけ、取り組んでいます。安全に配慮し、最高の技術を提供したいと日々実践しています。どうぞご安心下さい。不安な事がありましたら、遠慮なく質問して下さい。
手術が完璧でも、脊髄神経は、それまでの神経のダメージが強いと、一部症状が回復せず残ってしまう問題があります。常に謙虚に病気と向き合って、少しでも問題を克服できるように努力しています。腰痛や脚の痛みでお悩みの方は、一人で悩まず、是非ご相談下さい。
平成11年 | 川崎医科大学医学部卒 |
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International Cadaver Workshop for Percutaneous Endoscopic Spine Surgery 2012(KOMISS Hands-On Course)
November 17-18, 2012 Seoul, Korea
腰椎椎間板ヘルニア手術などにおいては、僅か7mmサイズの皮膚切開でヘルニアを摘出する、経皮的内視鏡下ヘルニア摘出術を導入しています。
『脊椎内視鏡下手術・技術認定医(2種・後方手技、3種・経皮的内視鏡下脊椎手技)』の資格を取得しています。
2種脊椎内視鏡下手術認定医は全国で130名程度、3種認定医は全国で30名と、まだ少数の資格です。
脊椎内視鏡手術で扱う病気の中に、『腰部脊柱管狭窄症』という病気があります。神経の通り道である脊柱管が狭くなり、中を通る神経や血管が圧迫され、血流が悪くなり腰や脚の痛みしびれが起こる病気です。この病気は、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、脚に痛みやしびれが出て歩きづらくなります。しかし、前かがみになったり、腰かけたりするとこの症状は軽減します。脊柱管は前屈で広がり、後屈で狭くなる現象があり、脊柱管狭窄があると、この症状が出やすくなります。これは特徴的な症状で、歩行と休息を繰り返す間歇性跛行(かんけつせいはこう)と言います。進行すると、脚の力が落ちたり、肛門周囲のほてりや尿の出が悪くなったり、逆に尿が漏れる事もあります。重症になる前に手術が勧められます。
手術については、通常ですと、背中を大きく切開し、椎弓切除術という大きく骨を取り除く手術を行います。
筋肉を大きく切る為、腰痛や腰の動きの制限、側弯症・後弯症の進行に伴う姿勢の悪化などが問題になります。当院では患部を、ピンポイントで治療する『内視鏡下椎弓切除術』を行っています。
3椎間の多椎間手術であっても、人差し指程の小さな切開で筋肉、靭帯、骨のダメージを最小にして神経を開放する術式です。
術後の痛みや動きの制限も最小で済みます。
短時間、かつ正確に行う事を心がけています。
脊椎圧迫骨折は寝たきりの原因となる怖い病気です。骨が弱いと自然に背骨が折れてしまうこともあります。我が国においては、高齢化が進み、この病気はますます増えています。骨折治療には3カ月間寝たきりで治す保存的治療と、手術治療の大きく分けて二つがあります。長期の臥床は体に様々な悪影響を及ぼすため、早めに骨を治し起き上がれる状態にする必要があります。
当院では、X線透視下で経皮的に実施する脊椎圧迫骨折の新しい治療法を取り入れています。折れた背骨に特別な器械で人工骨セメントを注入し、折れた背骨を固める手術です。手術時間は30分程度で早期の離床が期待できます。
適応は急性期脊椎圧迫骨折、椎体偽関節(古い圧迫骨折の骨癒合が得られない状態)、多発性骨髄腫又は転移性骨腫瘍による有痛性脊椎圧迫骨折などです。僅か3~4㎜の皮膚切開で行う手術です。脊椎脊髄外科指導医の資格と特別なトレーニングを受け認定証を持っている医師が実施できます。当院は実施可能施設で、この治療を行っています。
腰椎椎間孔とは神経根(神経の枝)が通る腰椎の左右側方にある孔です。この孔が椎間板ヘルニアや加齢変性した靭帯や骨によって圧迫され、狭窄を生じる病態です。この狭小化により、神経組織の障害あるいは血流の障害が生じ、下肢のしびれや疼痛、間欠性跛行、筋力低下といった症状を呈すると考えられています。腰椎の側弯、すべりや不安定性が存在する場合は、椎間孔の狭小化を生じやすくなります。
一見、脊柱管狭窄症が無くても強い痛みを伴うことがあり、診察で見落とされる場合があります。
椎間孔は背骨の椎間関節の奥にあります。通常の手術では、椎間孔狭窄を治す為に椎間関節を切除します。椎間関節を切除すると背骨の安定性が損なわれて不安定になる為、大きく切開して背骨を固定する手術が必要になります。
当院では、経皮的内視鏡で実施する、経皮的内視鏡下椎間孔拡大術 PELFを取り入れています。専用のダイヤモンドのドリルで患部のみを削っていきます。手術操作で背骨がグラグラになる事は無い為、固定手術を避ける事ができます。
L5/Sは他の椎間と比べ椎間板の変性・老化を生じやすく、椎間板の隙間が狭くなり易いです。仙骨などの大きな骨もあります。第5腰椎分離症を伴っている場合もあり、神経の周りの癒着が強い場合があります。より神経を愛護的に扱う必要があります。
当院では、このような場合でも内視鏡下に安全に手術を行っています。
全ての脊椎内視鏡手術中に神経モニタリングシステムを用い安全に配慮して行っています。
頚椎椎間孔とは神経根(神経の枝)が通る頸椎の左右側方にある孔です。
この孔が椎間板ヘルニアや加齢変性した靭帯や骨によって圧迫され、狭窄を生じる病態です。この狭小化により、
神経組織の障害あるいは血流の障害が生じ、上肢(腕・手・指)のしびれや疼痛、筋力低下といった症状を呈すると考えられています。
椎間孔は(首の)背骨の椎間関節の奥にあります。
当院では、内視鏡で実施する、内視鏡下頚椎椎間孔拡大術 MECFを取り入れています。
専用のダイヤモンドのドリルで患部のみを削っていきます。1㎜の鋭匙鉗子や1mm骨切除鉗子を用いて精密に手術を行っています。術後の疼痛も僅かです。
頚髄・頚部神経根は、より神経を愛護的に扱う必要があります。
当院では、このような場合でも内視鏡下に安全に手術を行っています。
全ての脊椎内視鏡手術中に神経モニタリングシステムを用い安全に配慮して行っています。