2020年度 浅草病院 病院指標

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 12 28 41 106 165 252 446 441 157
この指標は、令和2年4月~令和3年3月に一般病棟を退院した患者数を対象としています。年齢は、一般病棟に入院した時点のものを使用し、年齢階級別(10歳刻み)に集計しています。当院の年齢階級別退院患者数の傾向としましては、60歳以上の患者様が全体の約80%を占めています。その中でも70歳代・80歳代の患者様が多く、全体の53%を占めている状況です。年齢階級別の主な疾患として、60歳以下は、大腸ポリープ、腎結石及び尿管結石、60歳以上は、変形性関節症、大腿骨骨折、心不全、白内障、誤嚥性肺炎等が挙げられます。高齢の患者様の割合が多い傾向にあり、今後も高齢の患者様の増加が予想されることから、地域のニーズに合う医療機関を目指します。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 80 31.2 16.25 84.96
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 67 2.42 0 66.12
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 54 20.8 3.7 82.2
050130xx9900xx 心不全 45 33.62 4.44 81.36
100380xxxxxxxx 体液量減少症 36 18.53 2.78 76.83
当院の内科では、加齢などによる嚥下機能低下が発生要因となる誤嚥性肺炎、心臓の機能低下により血液供給が不十分である状態の心不全、尿閉や尿道カテーテル留置なども発生要因となる尿路感染症が挙げられます。いずれも高齢者に多い疾病であり、平均年齢も70歳以上となっています。また、消化器内科において大腸ポリープの切除を行える体制となっており、患者数は前年度より9件増加しています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 69 51.87 8.7 80.55
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 52 21.04 0 63.17
160760xx97xx0x 前腕の骨折 22 4.64 0 62.23
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 19 22.68 0 76.16
160780xx97xx0x 手関節周辺の骨折・脱臼 13 3.69 0 53.77
当科は昨年度より、人工関節センター、手外科センターを開設いたしました。また、外反母趾外来・足外科外来や肩(かた)と肘(ひじ)の外科外来(肩関節・肘関節専門外来)を行っており、関節、筋肉、骨といった筋骨格系の疾患を幅広く診療しています。高齢になって骨粗鬆症になると、若い時と比べて骨が脆弱になり、転倒などの比較的軽い外力でも骨折することがあります。また、加齢や外傷による股関節・膝関節の変形に対し、歩行能力を回復するには手術的治療が最も効果的であり、ほとんどの症例で手術を実施しています。その中でも大腿骨骨折の手術を多く行っています。平均年齢も80歳と高齢の患者様が多い疾患でもあります。リハビリについても手術の翌日から介入する事で、日常生活に早く復帰できるよう目指しています。また、回復期リハビリテーション病棟でより充実したリハビリ治療も行っています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
010040x097x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 1 142 0 84
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 1 16 0 57
010060x2990410 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 1 136 0 77
040120xx99011x 慢性閉塞性肺疾患 1 54 100 75
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 1 40 0 85
急性期脳卒中、良性および悪性脳腫瘍、頭部外傷に対する内科的治療行っています。
高度な診療や専門的な診療が必要な場合は、他の医療機関とも緊密に連携をしています。また、急性期加療終了後、日常生活機能を取り戻すため回復期リハビリテーション病棟でリハビリを適切に施行しています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 58 2.02 0 77.45
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 43 2 0 71.72
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 10 2.8 0 72.9
020240xx97xxx0 硝子体疾患 6 6.33 0 72.83
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 4 5 0 75.75
人間の目の中にはカメラに例えるとレンズに当たる水晶体という部分と眼球のまるい形を保ち、外から圧力や衝撃がかかったときにそれらを分散させる役割を担っている硝子体があります。白内障とは、水晶体が混濁することで、視力の低下をきたす状態です。眼科では白内障の手術、糖尿病網膜症や網膜剥離など、網膜になにかしらの異常が起きている際、網膜を守るための硝子体手術を主に行っています。最も多い白内障手術では、1泊入院で行っているため、入院日数も平均で約2日以内で行っています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患 56 2.07 0 54.3
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 22 2.05 0 76.23
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 15 11.53 0 75.67
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 12 6.92 0 77.42
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 12 8.17 0 73.92
当当科では腎臓や尿道にできた結石を砕いて排石する手術を行っています。入院期間も約2日と全国平均よりも少し短くなっています。また、膀胱癌の早期治療や前立腺癌の早期発見と早期治療に取り組んでいます。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類基準(※) 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 6 0 3 0 1 1 1 7,8
大腸癌 5 4 5 2 5 9 2 7,8
乳癌 0 0 0 0 0 0 1 7,8
肺癌 0 0 0 2 0 0 1 7,8
肝癌 1 0 0 1 0 1 2 7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
UICC 病期分類とは、癌の進行度合を、①原発巣の大きさと進展度(T分類)、②所属リンパ節への転移状況(N分類)、③遠隔転移(M分類)の有無の 3つのカテゴリによって各癌をⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の 4病期(ステージ)に分類するもので、Stage0は初期段階でStageⅥいわゆる末期癌を指します。
「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。  「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。

UICC 病期分類とは、癌の進行度合を、①原発巣の大きさと進展度(T分類)、②所属リンパ節への転移状況(N分類)、③遠隔転移(M分類)の有無の 3つのカテゴリによって各癌をⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の 4病期(ステージ)に分類するもので、Stage0は初期段階でStageⅥいわゆる末期癌を指します。
「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。  「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。

集計期間中(平成30年度)に退院した患者様が対象で実患者数を集計しています。
初発の病期分類は、UICC病期分類に基づいたものとなります。
集計期間中に「初発」として集計されたものは「再発」には集計しません。
病期分類が確定する前に亡くなられた場合等は、病期分類は「不明」となります。
医療資源を最も投入した傷病名が疑い病名であったものは集計対象から除外しています。
この指標は集計数が10に満たないときは「-」にて表記しています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 1 12 61
中等症 21 20 83.57
重症 4 18.75 83.25
超重症 0 0 0
不明 0 0 0
この指標では、市中肺炎のみの統計となり、誤嚥性肺炎の件数は含んでいないデータとなります。重症度とは、A-DROPという判定基準を基に全国統一で抽出されています。

市中肺炎とは市中(病院内や老人施設などを除く)で発症する肺炎で、若年層から高齢者まで幅広い年代でみられます。

A-DROPとは下記①~⑤の頭文字をつなげたもので上記項目の該当の有無に応じて軽度から超重症までの分類を行います。
①Age     :年齢(男性70歳以上 女性75歳以上)
②Dehydration :脱水症状(BUN 21mg/d以上又は脱水あり)
③Respiration  :呼吸状態(SPO2 90%以下・PaO2 60torr以下)
④Orientation  :意識レベル(意識障害 JCS方式での判定)
⑤Pressure    :血圧(収縮期血圧 90mmHg以下)
重症度0=軽症、重症度1or2= 中等度、重症度3=重症、重症度4or5=超重症に分類されています。

台東区は東京都内において高齢化率が高い影響もあり、70歳以上で中等症以上の患者様が多く入院されております。年齢が増すほど合併症を併発して重症化率も上がります。血液検査を行い適切な抗生剤を選択し治療を行い、栄養管理やリハビリも早期に介入することにより日常生活へ戻れるように診療しています。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 14 44.36 77.14 10.53
その他 5 165.6 76.8 0
急性期脳梗塞の診断で入院される方は発症から3日以内に治療が開始されています。早期診断、早期治療開始、早期リハビリ介入を心掛け、急性期病棟から回復期リハビリテーション病棟への円滑な移行によって、発症後のADL(日常生活動作)障害が軽減されています。本報告では制度上急性期から回復期リハビリ病棟を経由して退院するまでの在院日数となりますので、約44.36日と長くなっています。
その他(3日以上発症日から経過している)の患者様は、他の医療機関からリハビリ目的で転院されてきた患者様です。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 68 2.53 3.74 1.47 66.68
K654 内視鏡的消化管止血術 11 0.18 9.55 9.09 70.73
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 10 0.4 2.2 0 75.6
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 3 27 48.67 66.67 81.33
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 3 24 108 33.33 74.33
内科の中でも消化器内科において大腸ポリープの切除を行える体制となり、対象の患者様も増え、一番多い手術となっております。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 81 1.9 19.88 0 67.1
K0461 骨折観血的手術(大腿) 67 2.31 41.13 10.45 78.01
K0462 骨折観血的手術(前腕) 49 2.86 8.18 4.08 64.27
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) 22 1.64 5.5 0 47.73
K0811 人工骨頭挿入術(股) 19 3.42 59.16 10.53 85.05
人工関節センターを設けたことで、全国から人工関節置換術を希望される患者様が来院されるようになりました。そのため、股関節に対する人工関節置換術の件数が大幅に上がっています。また、高齢者に多い大腿骨(股関節周囲)骨折に対しての手術が上位を占めております。さらに、外傷での骨折での緊急入院患者様に対し、早急な手術対応ができるような体制をとっております。術後は翌日よりリハビリを介入し早期に社会復帰できるように診療しております。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 102 0 1.01 0 75.38
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 19 0.68 2.79 0 71.89
K279 硝子体切除術 3 0 3.67 0 72.33
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(逢着レンズ 1 0 1 0 56
K284 硝子体置換術 1 0 1 0 61
当科における高齢者に多い疾患の1つが白内障となり、昨年度と同様に白内障の手術を多く行っています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 56 0.04 1.04 0 54.3
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 14 1.71 6.14 0 74.86
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 12 1.5 4.42 0 77.42
K8282 包茎手術(環状切除術) 5 1 2.4 0 57.2
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 4 1.25 10.25 0 73
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術、膀胱悪性腫瘍手術、経尿道的前立腺手術等、年々対象患者様が増加しており、全体で前年度よりも20件増加しております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0 0
異なる 1 0.06
180010 敗血症 同一 2 0.12
異なる 2 0.12
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 2 0.12
180040 手術・処置等の合併症 同一 0 0
異なる 0 0
この指標は、播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌症、手術・処置などの合併症の患者数と発症率の統計となります。DPC病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」に分類して集計しています。
(上記に示した病気が、入院した時に発症していた病気であれば「同一」、入院した後に発症した病気であれば「異なる」となります)
今年度は昨年度同様10名を全て下回る項目となりました。

更新履歴

  • 2021.09.16 更新